業界初の
中速エンジン誕生

水冷横形ディーゼルエンジン

1950年代に入って価格統制や配給統制が撤廃され、いよいよ自由競争の時代を迎えます。

当時、市場の花形といえば石油発動機で、手軽に持ち運びができて取り扱いやすいエンジンを農家は待望していました。クボタは高い技術でそのニーズに応えていきます。

1950年(昭和25年)ごろには戦後の混乱期が収まり、復興へと歩みを進めるにつれ、食料の生産量も増加し、政府が厳しい統制で市場を管理する必要はなくなりました。

同年、価格統制や配給統制が撤廃され、自由競争の時代が始まります。企業は生産販売や価格設定の自由を取り戻し、人々は望む物品を購入できるようになったのです。

当時、市場で人気を博していたのは石油発動機でした。農家の声に耳を傾け、研究と技術で要望をかなえてきたクボタは、「持ち運びに便利な軽量で、取り扱いも簡単な新しいエンジン」の実現にひたすら注力しました。

中速石油エンジンH型実演会(1950年)
中速石油エンジンH型実演会(1950年)

先駆ける開発能力、
軽量化と小型化

業界に先駆けた水冷式中速エンジンの開発で大臣賞。軽量化・小型化の進化

1950年(昭和25年)に完成した業界初の「水冷横形ディーゼルエンジンH形」は、1953年(昭和28年)の通産省比較性能試験で大臣賞に選ばれます。

その年、40kgと軽量で運搬が容易な「超小型エンジンSH形」も発表しました。

1955年(昭和30年)には、燃料がガソリンから灯油へ自動的に切り替わる「ラジエーター付き水冷式オートエンジンN形」を発売。

空冷式では、高出力連続運転が可能な「4サイクルガソリンエンジン」を生産しました。

堺工場は1953年(昭和28年)に月産3,590台のエンジン生産記録を達成し、翌年には月産7,000台を突破する勢いで、市場を席巻しました。

1960年(昭和35年)、クボタ初の畑作用乗用トラクタ「T15」を発売しました。エンジンおよび車体ともにオール純国産のトラクタは、燃料にディーゼル軽油を使用。車体重量は900kgという軽量でありながら、15馬力という当時としては画期的なパワーを誇っていました。搭載されたエンジンは、立形2気筒水冷4サイクル直接噴射式ディーゼルエンジン「UH」です。

当時の耕うん機などに搭載された農業用ディーゼルエンジンは横形が主流でしたが、この「UH」は、のちの立形ディーゼル全盛の先駆けとなりました。

重量40kgと軽量な超小型エンジンSH形
重量40kgと軽量な超小型エンジンSH形

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1970 -

農業の進化とともに

4

戦後の復興とともに

  • 業界初の
    中速エンジン誕生

  • 先駆ける開発能力、
    軽量化と小型化