農機高成長と
エンジン開発
立形ディーゼルエンジン
高度経済成長による農村人口の都市部への流出以来、農業機械化の要請は高まり続けます。そこへ世界的食糧不足の懸念が重なり、農機ブームが起こりました。
「トラコン時代」「乗る農業」といわれる革新的な転換を支えたのは、機械の心臓部=エンジンの著しい進歩でした。
「乗る農業」
トラクタとコンバイン用のエンジンを
続々開発
1972年(昭和47年)以来の天候不順で、世界的に食糧不足の傾向が生じ、日本においても農政が見直されました。生産者米価の引き上げを受けて、全国的な農機ブームが到来。
「歩く農業」から「乗る農業」へと転換が進んでいた時期にあり、トラクタとコンバインを中心に、高性能農機のニーズが急伸し、販売店に行列ができる勢いで普及していきました。
コンパクトで低振動・低騒音のエンジンを大量に生産することが求められたクボタは、優れたエンジンの開発と生産能力の増強を両立させるために、生産設備の増設や新たな設計手法の採用に踏み切ります。
高出力密度・
多気筒・低振動・
低騒音
クボタのトラクタ用エンジンの基礎を確立
高性能化を実現した陰の立役者は、その心臓部を構成する各種エンジンでした。
クボタはそれぞれの農機の特性に合わせ、「コンバイン用空冷灯油エンジン(LH480H)」、「田植機用2サイクルガソリンエンジン(K37T)」、「L1500トラクタ用立形2気筒ディーゼルエンジン(Z750)」、「ブルトラ用立形2気筒ディーゼルエンジン(ZL600)」などを次々に開発。
L1500の開発時には、同時多元設計の手法を初めて採用。後のトラクタシリーズに展開する、高出力密度・多気筒・低振動/騒音というクボタエンジンクオリティの基礎を確立しました。
グローバル展開
1970年代には、さらなる製造拠点の拡大および販売拠点の強化に向け、海外進出を図ります。
1970年(昭和45年)、エンジンの製造販売を行う「インドネシアクボタ(株)」(現・P.T.クボタインドネシア)を設立。
1978年(昭和53年)には、タイに「サイアムクボタディーゼル株式会社」を設立しました。
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農業の進化とともに
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農機高成長と
エンジン開発 -
「乗る農業」
トラクタとコンバイン用のエンジンを
続々開発 -
高出力密度・
多気筒・低振動・
低騒音 -
グローバル展開