生産開始から
80周年を迎える

2002年(平成14年)
累計生産台数2,000万台達成

1922年(大正11年)から80年を迎えたこの年、クボタのエンジン累計生産台数が2,000万台を達成しました。

これは、さまざまな異なる要望に真摯に向き合い、期待に応えていくために、常に難しい課題に取り組んできた成果だといえます。その積み重ねによって、クボタはレベルの高い技術力を身に付け、クボタ独自の製造工程を生み出しました。これは、設計、鋳造、製造などの部門が連携して取り組んできた結果だと考えています。

世界で初めて米国CARB第4次排ガス規制に対応

地球環境保全の意識がますます高まるなか、米国カリフォルニア州大気資源局(CARB)のノンロードディーゼル第4次排ガス規制(56~130キロワットクラス)に対応。

4リッター以下の産業用ディーゼルエンジンでは、世界で初めて規制適合認証を受けました。

排出ガスに含まれるPM(すすなどの浮遊粒子状物質)を現行の1/10以下にする厳しい規制に対し、クボタでは、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する「DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)」や、燃料噴射をコンピューターで細かく制御する「コモンレールシステム」、排気ガスの一部を吸気に戻し、新しくエンジンに取り込まれる空気と混ぜることで、燃焼温度を下げてNOx(窒素酸化物)の排出を抑える「EGR(排出ガス再循環)システム」などを採用。

コンパクトな設計という現行機種の特徴を維持しながら、規制をクリアするとともに、出力向上や低騒音化などの性能も向上させています。

アジアの需要増に応えて中国に生産拠点を設立

久保田発動機(無錫)有限公司を設立

中国を中心としたアジアで農業機械や建設機械、産業用機械の市場が拡大し、エンジンの大幅な需要増が見込まれることから、中国で立形ディーゼルエンジンの生産をおこなう「久保田発動機(無錫)有限公司」を設立しました。

拡大する市場に向けた供給力の増強はもちろん、海外生産比率の向上によるコスト競争力の強化や為替変動リスクの低減を図ったもので、エンジン事業のさらなる拡大・発展を目指します。

多様な設計に対応するクボタのシームレスプラットフォーム

グローバルなお客様の製品開発・設計をサポート

クボタのガソリンエンジン、ガスエンジンは、産業用ディーゼルエンジンとプラットフォームを共有しているため、お客さまはディーゼルエンジンからガソリンエンジンや、ガスエンジンに切り替えることが可能です。
燃料のタイプが選択しやすく、開発コストの最少化に貢献します。

豊富な製品を取り揃え、欧州だけでなく、排出ガス規制の異なる地域への対応も必要とするグローバルなお客様の製品開発・設計をサポートします。

クボタエンジンの
環境規制適応力

1,000,000台のDPF装着エンジンの納入実績

世界の75 kW(100馬力)未満のエンジン市場において、クボタは最も経験豊富なDPFノンロードエンジンメーカーの1つです。

DPFとは、Diesel Particulate Filter(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の略で、ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質 (PM) を漉し取り軽減させるフィルターのことです。

クボタは常に世界各国の厳しい排ガス規制をクリアし続けてきました。なかでも、厳しい環境条件での使用を想定し、DPFを搭載したエンジンの開発・生産にいち早く着手し、厳しい基準にも対応し得るエンジンを実現しています。

2019年に適用されたEU排ガス規制Stage Vに対応したクボタのDPF搭載エンジン 
2019年に適用されたEU排ガス規制Stage Vに対応した
クボタのDPF搭載エンジン 

産業用大型ディーゼルエンジンの開発

当社最大クラスの高馬力帯の市場に参入

2017年(平成29年)に、新たに200馬力帯にもラインアップを拡充すべく、V5009を発表しました。

V5009は、イタリアのメディアが主催する賞「Diesel of the Year」を受賞しました。

「Diesel of the Year」は、イタリアの産業誌“POWERTRAIN”が主催する賞で、2006年に設立され、ディーゼルエンジンメーカーを対象とした最も権威がある賞の1つ。

歴代欧米エンジンメーカーの受賞が続いており、クボタの受賞は欧州・米国以外に本社を持つエンジンメーカーとしては初の受賞となります。

ディーゼルエンジン V5009
ディーゼルエンジン V5009

排ガス規制と
大型・高馬力化の両立

異分野技術の融合が実現する未来のクボタエンジン

さらに厳しくなる排ガス規制対応に加え、クボタはトラクタの大型・高馬力化により畑作市場に進出します。

規制に対応しつつ、エンジンの大型・高馬力化を実現できるのは、エンジンだけでなく、電子や化学など幅広い技術領域を持つクボタだからこそといえます。

今後も産業に欠かせないエンジンのトップメーカーとして挑み続けます。

電子制御小型
ディーゼルエンジン

新燃焼方式“TVCR”により、黒煙を見えないレベルまで低減。

2021年(令和3年)、クボタは出力19kw未満クラスの電子制御ディーゼルエンジン「D902-K(排気量0.898L)」を開発しました。

小型エンジン専用に開発された独自のコモンレールシステムを搭載し、クボタオリジナル燃焼システムである新燃焼方式TVCRを採用しています。

この組み合わせにより、始動時、加速時、急負荷時においても、視認できないレベルまで黒煙の排出を抑えられています。

さらにはコンパクトな体格や作業性の良さを維持し、低燃費を実現しました。

北米EPA Tier4、欧州 Stage V及び中国4次規制に対応することに加え、車両を対象とした規制である中国スモークⅢ類にも対応可能です。

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FUTURE

さらに世界が注目する
クボタのイノベーション

8

厳格化する規制、
多様化する新たなニーズへの回答

  • 生産開始から
    80周年を迎える

  • 世界で初めて米国CARB第4次排ガス規制に対応

  • アジアの需要増に応えて中国に生産拠点を設立

  • 多様な設計に対応するクボタのシームレスプラットフォーム

  • クボタエンジンの
    環境規制適応力

  • 産業用大型ディーゼルエンジンの開発

  • 排ガス規制と
    大型・高馬力化の両立

  • 電子制御小型
    ディーゼルエンジン